本来、精密診断を行うためには家の各箇所を破壊して調査する必要があり、破壊した場合は
当然ながら復旧の費用もかかってしまいます。
破壊調査を行わず、精密診断を目視のみで行うとすると構造体内部の劣化が判定できず、
結果として一般診断に比べて診断の精度が落ちてしまう可能性があります。
それに比べ一般診断では、精密診断を行う場合に考えられる構造体の劣化等をあらかじめ織り込んだ診断
となっています。詳細な検討を建物のすべての部位では行わず、
代表的な部位で平均的な評価を行うこととなります。
主として評価される部分は壁の強さ、壁の配置、劣化度、柱と壁の接合部分等であり、
目視・非破壊にて検査を行います。調査時においてどのように判断すればよいかが曖昧な場合は、
原則として「安全側」=より評価が低くなる方に判断することとなります。
そのため、家の各箇所を破壊して診断を行う精密検査に比べ、正確さでは一歩譲るものの、
破壊調査等も行わないためスピーディーで、より安価な診断結果を出すことができるのです。
評価は4段階に分かれ、数値で表されます。この数値がより小さい方が耐震性能が低く、
危険であることを示しています。
上部構造評点 | 判定 |
---|---|
1.5以上 | 倒壊しない |
1.0以上〜1.5未満 | 一応倒壊しない |
0.7以上〜1.0未満 | 倒壊する可能性がある |
0.7未満 | 倒壊する可能性が高い |
地震による被害の大きさは、震源地の深度や距離、時間、揺れ方など一様ではないのですが、この診断法で「倒壊しない」と評価された場合、だいたい関東大震災なみの震度6強の地震がおきても、建物が潰れてしまわないレベルと考えてよいでしょう。
耐震診断の流れ |
診断の流れを図に示します。
一般的な流れは実線に示すものですが、点線に示したように一部を省略する流れも可能です。また補強設計後の診断を一般診断で代替させることも可能です。しかし、そのような方法を採ることは、以下のような問題があります。 ○一般診断を省略して、いきなり精密診断を行えば、結果的に改修が必要で無い場合にも、診断に伴って行う外装材の引き剥がしなどの改修費用が必要になるなど、費用がかさむ場合があります。 ○一般診断の次の精密診断を省略して補強設計を行った場合、劣化について部位別の診断をいていないことなどから、必要以上の改修を行うことになる可能性があります。 ○また、補強設計後の診断に一般診断を用いれば、無開口壁による補強以外の補強の評価が出来ません。 |
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